英ポンド/円相場は、1ポンド=166円台中盤まで値位置を切り上げる展開になっている。年初来高値更新が続く中で短期的な過熱感も指摘されているが、引き続き堅調な英経済環境がポンド相場を支援している。投機筋の日本株買い・円売りが続いていることで、クロス円からのポンド高・円安圧力も継続している。
11月6~7日に開催されたイングランド銀行金融政策委員会(MPC)議事録が公開されたが、メンバーは「回復の持続性を巡る不透明感がある」、「失業率が目安の7%に達しても金利をすぐには引き上げない可能性があることを明示した」などと記されており、政策金利が過去最低水準で据え置かれる期間が長期化する可能性が示されている。全般的にハト派な印象が強い内容だが、マーケットの反応は限定的。7~9月期国内総生産(GDP)の改定値は速報値の前期比+0.8%から据え置かれたものの、4~6月期の+0.7%からは増加幅を拡大する流れに変化は見られない。月末・月初に再び英経済指標の発表が集中するが、全般的に堅調な指標が想定されており、強気の英実体経済環境を背景に、ポンドの下値不安は限定される見通し。
一方、日本株買いと連動した円売り傾向は維持されている。来週は米雇用統計の発表を控えていることで、ポジション調整の動きが活発化し易いことには注意が必要。ただ、このままリスクオンの地合が続く限りにおいては、ヘッジファンドが株高で流動性を増した投機マネーを円売りポジションに投入する流れは維持される見通しであり、投機的な円安圧力が加速するリスクには注意が必要と考えている。高値警戒感を消化しつつ、上値切り上げを試す展開が続く見通し。
テクニカルでは、一目均衡表の転換線(63.49円)とのかい離がやや拡大しており、短期的な過熱感が強い。その下の支持線は基準線(161.61円)となる。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変わらず。14日RSIは80.92。